『アウトプット大全』樺沢 紫苑 氏(14冊目)

読書日誌

書店でよく平積みされているのを見かける本書。最近の課題がまさに「アウトプット」なので、前から気になっていた本だった。TwitterなどのSNSやYoutubeなどを使って「日本一」情報を発信している著者なのだから、説得力は高い。感想を書くというよりは、なるほど、これは意識して実践していきたいなと感じた内容を列挙していきたいと思う。

話し方について

自分が体験したことについて、事実だけを伝えるのではなく、「その時自分がどう感じたか」という感想・意見を添えることを意識すると、アウトプット力が向上するとのこと。例えば、「SNSで評判の店に行った」はただの事実のみだが、それに加えて「スープが濃厚で美味しかった」(感想)、「すぐに行列店になりそう」(意見)を加えることで、自分の話にオリジナリティが生まれる。

ビジネスの現場では、どうしてもネガティブなことを伝えなくてはいけない場面がある。その際に有効な3つの「クッション話法」が紹介されている。遅刻が多い部下を注意するときのことを例に挙げる。①Yes But話法:「業績が上がっているね!、ただ遅刻が多いのが少し気になるなあ」。②Yes And話法:「業績が上がっているね!、遅刻がないとさらにベターだな」。③Yes How話法:「業績が上がっているね!、そうすればもっと良くなる?(相手に悟らせる、考えさせる)」。

また、話し方と直接関係はないが、「悪口はネガティブ人生のはじまり」という言葉が深く突き刺さった。お酒の席などでの悪口や愚痴はストレス発散の方法と思われがちだ。しかし、精神科医の著者によると、それは逆で、悪口などによりストレスホルモンが余計に増えてしまうらしい。性悪なので、ついつい人の悪口を言いがちな私はまずここから意識しようと思う…。

書き方について

速く文章を書くコツとして、文章を描き始める前に、構成を決めることが大事と書かれていた。これは仰る通りだと思う。例えが適切ではないかも知れないが、「煙突」をレンガで作る際、設計図を元にレンガを積み上げるのと、よーいドンでやみくもにレンガを積み上げるのとでは、完成までの時間や完成度が違うのは言うまでもない。今現在、この読書感想文も、とりあえず思いつくままに書いているが、実際時間がかなりかかってしまっている。先に構成を考えた方がいいのは頭ではわかっているが、実践できていなかった。次回から試してみようと思う。

このパートでは、書き方というよりもビジネスに役立つ内容が多かった。「TODOリストは朝イチで書く」「ノートは1冊のみ使う」「プレゼン資料を作成する際は、①アイディア出し(ノート)、②Wordでアウトライン作成、③スライド作りという順」「始業直後は脳が一番働く時間なので、メールに費やさない」などなど、意識知るだけでも仕事の質は大きく変わってくるだろう。

働き方が多様化する中で、ますます個人の能力が重要視されるようになってきているように感じる。大手企業に入社できたから一生安泰という時代ではなくなった。そうした時代だからこそ、ビジネス現場における自分の「戦闘力」を高めていく必要がある。「アウトプット力」も戦闘力を高める武器の一つとして、しっかり磨いていく必要があると改めて感じさせられた。

コメント